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2018.02.14(水)レシピ集 片手でクッキング 半身不随の人も楽しく料理

脳卒中などで半身不随となった人でも料理を楽しんでもらおうと、東京ガスが「片手でクッキング」のレシピ集の公開をウェブサイトで始めた。患者向けの料理教室を長く続けている横浜市総合リハビリテーションセンターの監修で、5品目を紹介。「一般の人も、片手でできる調理方法を知って当事者に伝えてほしい」と呼びかけている。

脳血管疾患の患者は国内で推計118万人に上る。卵を割る、野菜を切る、皮をむくといった調理は自然と両手を使うため、まひが残った人は諦めてしまうことも少なくない。

同社は2020年東京五輪・パラリンピックに向けた共生社会実現の取り組みとして、片手クッキングのレシピ開発を発案。脳出血の後遺症で右半身にまひがある社員の熊谷ひろみさん(50)らの声を取り入れ、作りやすく食べやすい「鶏肉の炭火焼き風とグリル野菜」「ツナトマトソースのペンネ」などをメニューに選んだ。

その際に協力したのが、2010年度から「生活を豊かにするリハビリを」と、季節感を取り入れた料理教室を開いてきた同センター。作業療法士の藪崎さや子さん(47)らが、くぎの付いたまな板や滑り止めなどの「自助具」の活用法や、食材や器具はあらかじめ調理台に並べておくといった注意点をアドバイスした。

料理教室には、男性が多い脳血管疾患の患者に自分の生活習慣を見直してもらい、再発の予防につなげる狙いもある。退院後に人目を気にして引きこもりがちだった患者が、教室で仲間と接するうちに明るさを取り戻し、徐々に行動範囲を広げた例もあったという。

公開したレシピ集は、失語症や記憶障害などを伴う患者のことも考慮し、手順がなるべく写真で分かるよう工夫した。「レシピを参考に家族と一緒に料理を楽しんでもらえるとうれしい」と熊谷さん。小川淳センター長は「片手ではできないことも、ちょっとした工夫でできるようになる。達成感を味わうことで、前向きな気持ちが生まれる」と話す。

レシピ集は東京ガスのサイト内https://www.tokyo-gas-2020.jp/challenge/別ウィンドウで開く
から無料でダウンロードできる。【谷本仁美】

料理を作る体験会に参加

レシピで紹介された料理を作る体験会が今月上旬に東京都内であり、記者も参加した。

10年前、幼かった長女をスリング(赤ちゃんを抱っこする布)に入れて左手で支え、右手だけで包丁を振り下ろしていたのを思い出す。パプリカをくぎで固定し、片手で切ろうとしたが、安定しない。「刃の柄に近い部分を支点にし、押し出すように滑らす」と助言を受け、うまく切ることができた。

生肉は調理ばさみで全体に細かな切り込みを入れ、焼いた後で切り分ける。ニンニクも半分に切ってからの方が皮をむきやすい。こうした少しの工夫で作業が楽になることに驚いた。病気や障害がある人に限らず、子どもや普段料理をしない人にも役立つと感じた。

片手で料理をするコツ

・くぎ付きのまな板、滑り止めマット、ぬれ布巾などで食材や器具を固定

・フライパンや鍋の取っ手は、引っ掛けないように奥に向ける。

・卵はよく洗い、約30センチの高さから器に直接落として割る。殻は後で回収

・野菜は固定するか、平らな面を下にして、安定した状態で切る

・缶詰は滑り止めの上に置き、タブを手前に起こした後で半回転させ、タブを手前に引て開ける

(東京ガスのサイトから抜粋)

<毎日新聞>
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