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2019.03.15(金)東電にのみ4世帯9人への508万円賠償命令 国の責任認めず 千葉地裁・原発集団訴訟

東京電力福島第1原発事故で、福島県の避難指示区域外から千葉県に避難した6世帯19人が東電と国に計約2億4700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(高瀬順久裁判長)は14日、東電にのみ4世帯9人に計約508万円を支払うよう命じた。別の原告が千葉地裁に起こした訴訟の2017年の判決と同様、国の責任は認めなかった。

同種訴訟の判決で、千葉地裁を除く東京、福島など5地裁はすべて国の責任を認めている。弁護団は「誰の責任で事故が起きたのか不明確のままでは再発防止にならない」と判決を批判し、控訴する方針を示した。

判決は、国も06年までに原発敷地高(海抜10メートル)を超える津波で原発の全交流電源が喪失することを予見できたとしつつ、当時は津波対策より原発の耐震性が重視されていたとして、「地震対策を優先させた判断が不合理とはいえない」と指摘。さらに当時の工学的知見では電源喪失が防止できなかったとして、違法性を認めなかった。

原告は、震災当時は福島県南相馬市や福島市などの緊急時避難準備区域や自主的避難等対象区域などに居住。国が定めた「中間指針」に基づく東電の既払い分に上乗せして、故郷での生活などを失った苦痛に対する「ふるさと喪失慰謝料」や財産的損失への賠償など、1人1100万~3657万円を請求していた。

判決は、緊急時避難準備区域に住んでいた南相馬市の1世帯4人について「個別事情に応じて避難継続の合理性が認められる」と請求を一部認めた。他の5世帯15人は「年間20ミリシーベルトを下回る被ばくが健康上の被害を与えるとは認められないが、リスクを完全に否定することはできない」とし、個別事情に応じ5人について一部認め、10人は退けた。

ふるさと喪失慰謝料は「復興状況などから地域コミュニティーなどの生活基盤が破壊されたとも精神的損害を受けたとも言えない」として全員認めなかった。

国や東電に対する全国約30件の原発避難者の集団訴訟では9件目の判決。東電は「今後、判決内容を精査し対応を検討する」とコメントした。【信田真由美、加藤昌平】

■毎日新聞
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