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2019.04.16(火)未使用4体、輸送容器内へ 福島第1・3号機核燃料取り出し

東京電力は15日、事故を起こした福島第1原発3号機の「使用済み燃料プール」から核燃料の取り出しを始めた。機器が引っかかるトラブルはあったが、予定通り、未使用の燃料4体をプール内にある輸送容器に入れ、作業を終えた。事故で炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機から燃料を取り出すのは初めて。2014年末に始めるとしていた国の計画は、相次ぐ機器トラブルなどで大幅にずれ込み、4年4カ月遅れでの実施となった。

事故後、3号機では原子炉建屋上部にある使用済み燃料プールで使用済み燃料514体と未使用燃料52体の計566体の冷却が続いている。水素爆発で建屋が損傷し、安全に管理するため早期の燃料取り出しが急務だった。

トラブルで作業を20分中断
この日は午前9時前に作業を開始。プール周辺は放射線量が高いことから、作業は遠隔操作で行われた。四角柱状の燃料(長さ約4メートル、重さ約250キロ)を1体ずつ専用クレーンで持ち上げ、そのままプール内の水中を移動して約10メートル離れた金属製の輸送容器まで約1時間かけて運んだ。一時、燃料上部のハンドルにクレーンのつかみ具が引っかかるトラブルで約20分中断したが、約9時間の作業で燃料4体を収容した。

輸送容器は、別のクレーンで建屋外のトレーラーに積み込んで敷地内の共用プールで仮置きする。この作業を繰り返し、20年度までに全燃料の取り出しを目指す。

3号機では昨年8月以降、機器の動作確認などでケーブルの絶縁不良やクレーンの不具合などが続発し、取り出し作業が延期されていた。残る1、2号機では23年度にも燃料取り出しを始める予定。【鈴木理之】

喫緊の課題は作業員の被ばく対策
当初の計画から4年4カ月遅れて、ようやく3号機の使用済み燃料プールから核燃料の取り出しが始まった。事故の影響で放射線量が高い特殊な環境の中で、機器の遠隔操作を中心とした作業になる。だが、トラブルが起きれば立ち入る作業員は放射線にさらされる。今後は被ばく対策が喫緊の課題だ。

事故当初は国内に遠隔操作で燃料を取り出す技術がないことから、最初に燃料を取り出す3号機は海外製の機器を導入することになったがトラブルが相次いだ。「1、2号機では同じ機器を使おうとは考えていない」。東京電力の廃炉プロジェクトのトップ、小野明最高責任者は機器に対する不安を口にする。原子力規制委員会の担当者も「厳しい作業でミスが起これば致命的だ」と危機感を示す。

一方で、トラブルが起これば作業員が現場に立ち入ることになるが、プール周辺は最大で毎時1ミリシーベルト近くの放射線量に達する。作業員が余計な被ばくを強いられる現実がある。

政府と東電は2021年にも事故で溶け落ちた溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しを始めるなど、今後ますます原子炉に近づく困難な作業が増す。作業員の被ばくを最小限に抑える対策が不可欠といえる。【鈴木理之】

■毎日新聞
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